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鍼灸医学の懐

黄帝内経の意訳と解説 最後に原文と読み下しを記しています。

陰陽応象大論(五) - 大宇宙と小宇宙(10)

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 いよいよ具体的に身体のあるべき状態と、異常を説いている。

 単純なモデルだが、単純であるがゆえに応用無辺である。

 たとえば、現代病のアトピー性皮膚炎は、発汗がしにくい方が結構多い。

 当然、体内の熱が盛んになって出口で渋滞を起こして発症する。

 当然、そこには虚実錯綜の問題が絡んでくるので複雑に見えるが、病の発展段階をたどれば病の本質が姿を現す。

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 原 文 意 訳

 黄帝が申されるには「陰陽の法則に法るとは、どのようなことなのか」と。

 岐伯が、以下のようにお答えした。

 陽が盛んになり、身体が熱せられると、本来であれば毛穴が開いて熱を体外に逃がすのであるが、もし毛穴が閉じてしまった場合、熱が体内に籠ってしまうのである。

 そうなってしまうと、走ってもいないのに粗い喘ぎが現れて、うつ伏せになったり仰向けになったりして苦しむことになる。

 毛穴が閉じているので、汗が出なくてさらに鬱して発熱すれば、歯も乾いてしまって悶え苦しむ。

 陽気である熱が出口を無くしているので、腹が満ちて死に至るのである。

 寒気の盛んな冬であれば、なんとか持ち堪えるかもしれないが、陽気の盛んな夏であれば堪えることはできないものである。


 今度は反対に、陰が盛んになり、身体が寒くなると、本来であれば毛穴を閉じて陽気を漏さないのですが、もし毛穴が開いたままになると陽気が出てしまい、身体は常に水が清んでいるかのように静かになってしまう。

 そうなってしまうと、しばしば戦慄して寒気を覚え、寒が甚だしくなると手足に陽気が巡らず、手足が冷え上がってくる厥という状態になる。

 厥ともなれば、陰気である寒が気血を停滞させ、腹に満ちて死に至るのである。

 陽気の盛んな夏には持ち堪えることができるかもしれないが、陰気の盛んな冬であれば堪えることができないものである。

 これら病の形態は、陰陽のいずれかに大きく傾いた時に、この法則にかなっていない場合に起きる基本形である。

 原文と読み下し

帝曰.法陰陽奈何.
岐伯曰.
陽勝.則身熱腠理閉.喘粗爲之俛仰.汗不出而熱.齒乾以煩寃.腹滿死.能冬不能夏.
陰勝.則身寒.汗出.身常清.數慄而寒.寒則厥.厥則腹滿死.能夏不能冬.
此陰陽更勝之變.病之形能也.
帝曰く、陰陽に法っとるとはいかなるや。
岐伯曰く。
陽勝てば則ち身熱し、腠理閉じ、喘粗くしてこれ俛仰(ふぎょう)を爲し、汗出でずして熱し、齒乾き以って煩寃(はんえん)し、腹滿して死す。冬に能え夏に能えず。 
陰勝てば則ち身寒し、汗出でて身常に清し、數しば慄して寒す。寒すれば則ち厥す。厥すれば則ち腹滿して死す。夏に能え冬に能えず。
此れ陰陽更ごも勝の變。病の形能なり。

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