鍼灸医学の懐

黄帝内経の意訳と解説 最後に原文と読み下しを記しています。

陰陽応象大論(五) - 大宇宙と小宇宙(2)

 ほんの僅かの文章の中に、応用無限の真理が説かれている。

  特にここでは、陽気、陰気の性質と、極まるということについて述べられている。

  これを陰陽の転化法則という。

  極まるとは。 いつ極まるのか。

  これは自らの心意を以て測り、見極めることである。


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  さて、ここからは、陰陽の働き・性質を固定的に覚えるというよりも、イメージで自由な意識で捉えるのがよろしい。

 これは陽だ、いや陰だなどと、心や意識を固定させてはいけない。

 陽は即ち陰であり、陰は即ち陽である。

 
  原 文 意 訳


 陽気の性質は上に昇るのであるから、天は陽気が集積する無形の場であり、陰気は下に降りるのであるから大地は陰気が集積する有形の場である。

 陰は静かであり穏やかで動かない性質であり、陽は騒がしく猛々しく活動的である。

 陽は生じさせる働きであり、陰は成長を促す働きである。

 陽は発散して滅してしまい、陰は収斂して形を堅固にする。

 陽は変化を生じさせる気であり、陰は象(かたち)である。

 寒の性質は収斂=引き締めるのであるから、対極にある陽気は凝縮されて極まると一転して熱となり、熱の性質は発散・消耗、減であるから、対極にある陰気が長じて極まると一転して寒となるのである。

 大好きが極まると大嫌いに転化し、大嫌いが極まると大好きに転化する。
 大好きはすなわち大嫌いであり、大嫌いはすなわち大好きなのである。

 静かなる鬱積が極まれば爆発し、発散が極まればおとなしい静に転化する。
 爆発は静けさであり、静けさは爆発なのである。

 手を氷水の入った洗面器に漬けて出すと一転して火照りという熱の症状が現れ、身体が発熱して発汗が過ぎると一転して身体が冷え切って死に至るという現象も同じである。

 このように、物事は極点に達すると陰陽の逆転=転化が起きることは、自然の大法則なのである。

 原文と読み下し
 
 故積陽爲天.積陰爲地.
 陰靜陽躁. 陽生陰長. 陽殺陰藏. 陽化氣陰成形. 
 寒極生熱.熱極生寒.

 故に陽積みて天と爲し、陰積みて地と爲す。
 陰は靜、陽は躁。
 陽は生じ陰は長ず。
 陽は殺し、陰は藏す。
 陽は氣と化し、陰は形を成す。
 寒極まれば熱を生じ、熱極まれば寒を生ず。

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