2014-05-17 陰陽応象大論(五) - 大宇宙と小宇宙(9) 黄帝内経 素問 Tweet 原 文 意 訳 天は高くして尊く、万物を覆い、地は卑(ひ)くくして万物を載せる。 天気は下り、地気は上り、天地陰陽の気の変化・交流で万物は生じるのである。 万物にとって天地は生み出す元である父母であり、上下である。 陰陽なるものは、たとえば動いて養う男性と、生み出す女性のように、血は気を生み出し、気は血を導くようなものである。 陰である血と陽である気は、男女の関係と同様なのである。 人が南面して立てば、左は東で陽気が生じ始め、右は西で陽気は没する。 このように、陰陽の消長は左右という場に、その変化が現れるのであるから、左右は陰陽の道路というのである。 天の気である風・寒・暑・湿・燥は、無形であって直接目で見ることはできない。 しかしながら天の気を受けた大地の気は、木・火・土・金・水に象徴され、有形であってしかも具体的に確認できる。 これらの内、人体にあって水火は気・血であり、神気・精であり、最も陰陽の変化の兆しを察知することができる、目付どころである。 天地陰陽の二気によってすべての現象が始まる。これを大前提とする。 人体においては、先天の水火である神気・精がこれに相当する。 陰気は、身体内部にあって陽気を養い、さらに陽気が散逸してしまわないようにしっかりと守っているのである。 体外に現れた陽気は、体内が外邪に侵されないように働くのであるから、陽は陰の使いなのである。 陰気は求心性であり、陽気は遠心性である。 陽気の活動は、陰気が手綱を握っているのである。 男女もまた然りである。 原文と読み下し故曰.天地者萬物之上下也.陰陽者血氣之男女也.左右者陰陽之道路也.水火者陰陽之徴兆也.陰陽者萬物之能始也.故に曰く。天地なる者は萬物の上下なり。陰陽なる者は血氣の男女なり。左右なる者は陰陽の道路なり。水火なる者は陰陽の徴兆なり。陰陽なる者は萬物の能始なり。故曰.陰在内.陽之守也.陽在外.陰之使也.故に曰く、陰は内に在りて、陽の守なり。陽は外に在りて、陰の使なり。